こんにちは。実は私は包丁が好きです。
刃物好きって危ないやつと思われるかもしれないけど、よく切れる包丁でスパスパ調理してくの気持ち良くないですか？
僕自身が危ない側に分類される存在であることは否定しません。
その気持ちいいスパスパを維持するためには研ぎの技術が必要不可欠です。今まで見て見ぬ振りをしてきましたが、いよいよ真面目に向き合います。お楽しみに。
みなさんご存知の刃の黒幕です。砥石といえばやっぱこれだよね。
シャープナーとホムセンで買った両面砥石はあるけど、今回は意を決して一式買いました。
240番の荒砥、1000番の中砥、5000番の仕上砥、それらをセットする台、目詰まり解消の復活砥石の5点で15000円です。初期投資がデカくないか？
今回の実験台の中華包丁くんです。なんかの銘が掘ってあるけど詳細は不明。材質すらもわかりません。ステンレスでないことだけはわかる。
親父が使っていた中華包丁なのですが、亡くなってから10年以上放置されてて限界まで錆びてる。親父が使ってた時から綺麗だった記憶は特にないけど。
誤解のないようにお伝えすると、親父の形見の包丁を修復して受け継ぐぜ！みたいな殊勝な気持ちは一切なく、ボロボロだからミスってぶっ壊しても惜しくねえやってだけの気持ちです。今まで持ってた理由も捨て方がわからなかったからだし。
とりあえず錆の除去からやっていきますか…。
こういう使い方していいのかわからんけど、荒砥石にピッタリ寝かせて擦り付けて削っていきます。指の形がおかしいのは一人で撮影してるからです。
割と綺麗になったが普通にまだ汚い。
あと茶色い錆は簡単に取れるけど、黒いやつはマジで取れない。
反対側も頑張ったけど全然ダメですね。
ここらで錆落としには専用の道具が必要という可能性に気づき始めるが、既に店は閉まっている時間。一旦錆び取りは諦めて、刃こぼれの修正に移行します。
流石にボロだからカジュアルに刃こぼれしまくってるんですよ。あと刃の部分も普通に錆びてる。ここでようやく荒砥石君が本来の使われ方をするわけです。
一人でやってるから研いでる写真は撮れないけど、通常の研ぎよりもキツい角度でゴリゴリ研ぐことで刃こぼれを削り取ります。もちろん刃も死ぬからそのあとちゃんと刃付けが必要になる。
荒砥石での刃付けまでやりました。これが正解の状態かは分かりません。
様々な事情があり、中砥石だけ到着が遅れてるのでこの日の作業はここまで。翌日に持ち越しです。
でもどういう状況か見たいだろうからちょっとだけサービス。一応この時点でもヒュンッ！ってやってコピー紙を切断する曲芸は可能みたいです。勢いつけないと切断面バサバサだが…。
そして世界は翌日へ。錆び取りに良さげなアイテムを仕入れました。
やるぞ！！！！！
スポンジが黒くなってるから落ちてる雰囲気はある。
が、全然ダメです。擦れど擦れど黒錆びは落ちてくれない。
他の部分はちょっと綺麗になった。
ならばこれしかあるまい。お店で売ってた一番荒い80番の紙やすりでゴリゴリやってやります。
即堕ち2コマです。何しても勝てねえなこれ。ついた時点で敗北なのか半日くらい擦り続けるしかないのか。
錆び取り剤とダブルパンチでいきましょう。
無意味だこれ。
一生懸命頑張った結果その1。汚いけど許容範囲？これ以上綺麗にする方法がわかりません。根気よく紙やすりかけ続ければ黒いのも取れるのか？
その2です。こっちも同じような状況。
紙やすりでゴリゴリやった傷が目立つけど手触りは普通。
これ目の細かいやつで磨き続ければ鏡面仕上げとかできるのかな？鏡面仕上げはオシャレガン振りで特に関心ないからやらないけどさ。
じゃ、刃付けしていきますか。遅れていた中砥石と復活砥石が届いたのでフルメンバーが揃いました。
例によって研いでる写真はないけど、割とあっという間にカエリが出てきてビビった。
安い両面砥石でやってた時は全然カエリが出なくて包丁が傷んでると思い込んでたけど、この包丁で出るなら砥石の性能の差説が浮上する。
実際家にある他の包丁も研いでみたけど、爆速でカエリが出ます。砥石もツッパって高いの買わなきゃダメかー。
そんじゃ仕上げ砥石を…。
これが正解かはわからんけどできたと思う。
トゲールくん使ってないから角度は割と出鱈目。壊れても惜しくない包丁だからそういう舐めた真似ができる。でもいつかはトゲールくんも卒業したいので舐めた真似は定期的にする必要がある。
どうっすかねこれ。
良し悪しわかんねー。刃の部分が黒いのは光の反射で、刃じゃない部分が黒いのは錆です。
でもコピー紙はめっちゃ切れるぞ。
シュパシュパほっそく切ってく曲芸もできた。流石にこれは優勝でしょ。
汚いから画像はないけど、試してみたら腕毛も剃れました。大成功と言っていいのでは？
親指の絆創膏は包丁で切ったのではなく、砥石で擦り続けて出血したものです。
そんじゃ蘇生完了ということで食品を切ってもらいましょう。
これは1週間くらい熟成させた塩豚を低温調理しておいたものです。
スライサーより薄く切れるようになりました。やったぜウェーイ。
道具のスペック的には余裕なんだろうけど、俺が赤ちゃんなせいでこのレベルのスライスは普通にむずい。包丁と一緒に技量も磨け！
やがて慣れてきてスライス連発が可能になる。これはかなり気持ちいいぜ。
とはいえペラッペラである必要はないし、時間もかかるので満足するまでやったら普通に切ります。
スーパー薄切りは所詮曲芸ですよ。本当にスライスが欲しい時があったとしても包丁でやる必要はないわけじゃん。薄切りを買うとかさ。
中華包丁の1番の強みは食材の移動が容易なことですね。圧倒的なサイズ感で圧倒的に有利になる。
重くて取り回しは悪いけど、いろんな食材をザクザクと刻んで行きたい時とか便利そう。
塩豚はパイナップルと一緒に食うという選択肢があります。
加熱した塩豚にパイナップル乗っけたところで柔らかくはならないので完全に食味の問題です。甘辛酸っぱくて最高。
ちなみに酢豚にパイナップルも同じ理由で柔らかくなんかなりません。柔らかくしたけりゃ生の豚肉とパイナップルを合わせて寝かせる必要があるので、一緒に炒めるだけの酢豚で柔らかくなるは完全にデマ。言ってるやつはフェイク野郎なので、入れない派は安心して叩いてください。
でも、美味しくなるから入れるって反論されたら入れない派のあなたたちの負けです。諦めてくださいね。
洗剤で手荒れしてる手で包丁研ぐとひび割れに研ぎ汁が染み込んで黒くなります。これ手洗いどころか風呂入っても全然落ちねーんで笑えてきますよ。
おわり
